浅学非才

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趣味についての駄文をたまに書いてます。。

「スターズ」の優しさとは?~「アイカツスターズ!」完走~

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初代に引き続きスターズ全100話も完走!ということでまたブログに感想を書き連ねます。

ただ完走してからブログを書く時間がなかなか取れず、10日以上日が開いてしまったこともあるので、今回は趣向を変えて作品世界についての考察という形にしてみたいと思います。

 

(↓初代アイカツ完走の記事はこちら↓)

 

lackoflearning.hatenablog.com

 

本題:「スターズ!」の優しさについて

1年目は「不思議な力」を巡るシリアスな展開、2年目はS4・幹部の制度の四ツ星学園の比ではない実力主義のヴィーナスアークの登場、そして全体的には感情(特に負けた時の悔し涙)の描写のリアルさなどもあり、前作に比べ「厳しさ」が表面的には目立った作品でした。また30話で小春とのお別れパーティーのステージで力が発動して倒れ、ちゃんとお別れできずじまいとなってしまったゆめに関しては厳しいどころかあまりにも残酷でしたし、やはりハードさも印象には残ってしまいます。

ただ私はスターズ世界を「厳しい世界」とは思っていません。この世界も十分に優しい世界です。仮に厳しい世界であれば桜庭ローラは未完の大器のまま埋もれてしまうでしょうし、騎咲レイには批判の言葉が数多く向けられていたでしょう。

しかしローラは能力は互角ながらもゆめの後塵を拝し続ける不遇の役でしたが、S4を退きアメリカへ旅立ったツバサからブランドを引き継いだり、また87話では世界での挑戦を持ちかけられるなどその実力や努力を見て、それらを認めてくれる人が居ます。そしてレイはブランド立ち上げとアイカツデビューの動機について「エルザのためだけ」と語りましたが、この世界のファンに応援されてアイカツランキング決勝にも進出しました。(もっともこれは「ファンのためではなく…」というのが私には全く理解できなかったのですが…)

ところで「優しさ」とは何なのでしょうか。いろいろな意味や定義、考え方はありますが、例えば優しい人を想像してみてどのような要素を連想するかと考えた時に、親切や思いやりのような要素に加え、救いであるとか寛容といった要素も思い浮かびます。そしてその救いこそローラが不遇ながらも実力は確かに認められた世界であり、寛容こそレイが炎上してもおかしくないような意思表明をしても受け入れられ応援された世界なのではないでしょうか。また「優しい」といえば初代シリーズも「やさしい世界」と評されます(私もそう思っている)が、ここでの優しさは「うんうん、それもまたアイカツだね」の精神に対する評価以外ではイヤな登場人物が居ないことや作品全体の雰囲気の形容で、辞書的には「害がない」とか「刺激が少ない」という意味と考えます。これらの点から私はスターズ世界の優しさとは「血の通ったやさしさ」であり、リアルな感情を描いた「人間臭い」この作品ならではの優しさのあり方だったと考えました。

おわりに

曲やキャラクター、全体で描いた内容は当然良かったのですが、物語の中でのカタルシスには前作と比べてもやや欠ける印象が残りました。ただ一方でそういった点から噛んでより楽しい、咀嚼のしがいがある作品ではあると思いました。また今回振り返りの形式ではなく一点に絞った考察の記事としてみたことには、最初に書いたタイミング的な問題に加えてそう思ったからという理由もあります。

さて、私のアイカツシリーズ履修もこれで残すはフレンズ1シーズン半のみとなりました。しばらくは時間にも余裕がありそうなので、またのんびり楽しめたらなと思います。